歌う花嫁
各椅子の横に飾られているブーケ
教会までの道々、曼ジュ沙華が満開
そもそもホテルなどについているおざなりのチャペルが、私は嫌い。
もちろんそこで式を挙げた方々はたくさんいらっしゃるだろうし、それを否定するわけではないのだけど、なんというか、ふだんキリスト教と無縁な者が、カタチだけ教会婚というのは、違う気がする。
まだ、神社の神前結婚の方が納得いく。
初詣したりして普段親しみがあるし、日本はもともと神道の国だったのだから・・・
この日行われた結婚式は、ちゃんと洗礼を受け、日曜日には奉仕活動をし、キリストの名のもと誓いを行うにふさわしい新郎新婦の、ちゃんとした教会の結婚式だった。
招かれた私達も一緒に賛美歌を歌い、神父さまのありがたいお言葉のあとに「アーメン」と祈りを捧げる。
式は厳粛な空気の中行われたのだが、ちょっと違うのは新郎新婦がミュージシャンなので、式中に、新郎のピアノの伴奏、新譜によるアメイジンググレースの奉歌があり(本当に素晴らしい美声の持ち主で、野球の始球式とかサッカーの国際試合などの際、こういう方が「君が代」を歌うにふさわしいと思う)式後には、新郎新婦のデュエットや音大の声楽科を出られた友人方の歌、新婦が指導をされているクワイアグループによるゴスペルなどのコンサートが行われ、(おめしかえがあるかと思ったら、なんとウェディングドレス姿のまま!)まるで「天使にラヴソングを」のようだった。
途中、作った曲を説明する新郎は、涙で言葉にならなくなった。
ジグソーパズルをみるとパズルの1ピース、1ピースが人だと思う。
地球上では、一秒に三人の幼い命が飢餓や戦争でなくなっているという。
そのことを思い、パズルを一つ一つくっつけ、完成したとき、それははるかかなたの地上から見た世界に見える・・・
そういった気持ちやら願いやらをこめて作った曲だという・・・
あたたかくて夢や希望や幸せに充ちた素晴らしい式だった。
前日の天気予報では、台風14号が小笠原諸島に接近していることを伝えていた。翌日には太平洋側(だったっけ?)にそれるであろうとも言っていたが、雨、風の影響があるかもしれない・・・
それが嘘のような青空が広がり、お日様が射し、風が心地よいFine Dayだった。
新婦は晴れ女なのだと思う。
純白のドレスとヴェールに包まれても、ふだんとかわらない明るい、笑いをさそうトークがすっと出てくるほんとに素敵な女性がそこにいた。
とてもとても幸せな時間だった。