昔、昔、まだPCがそれほどメジャーではなくて
PC=オタクという偏見があり、パソコン通信、と呼ばれていた時代・・・・
昨年12月5日の誰もが伝説!と叫んだライブ以降、凍結少年となったメトロファルスが
過去にも無期限凍結(休止)していた頃のこと・・・
伊藤ヨタロウ氏がお芝居に役者として出演していたのが、鈴木勝秀氏率いるZAZOUS THEATREだった。
私はそのお芝居の世界に、たった一度の観劇でひきこまれ、魅了された。
男性だけの、
舞台が灼熱の砂漠であっても、ちっとも汗や温度を感じさせない、
クールな、
とにかくかっこいい乾いた世界。
ZAZOUS THEATREのお芝居はその後何作も観たが、いつも先に書いたのと
同じ感覚、一貫してクール。
登場人物たちは、ときに声を荒げたり、熱くなったりするのだが
それでも、体温をや人間臭さを感じさせない、そういう演出なのだろうか?
”スズカツワールド”マジック?
そんなお芝居を、1人ではなく、同じ趣味嗜好を持った人々と一緒に観に行きたい。
私と一緒にお芝居を観に行ってくれませんか?
純粋にそう思い、純粋に応えてくれた男女があっというまに集まり、
それからは何人もで観劇した日々・・・。
2000年になってしまったと思ったら、
今年で13年???
もぉびっくりだ!!
リアルタイムで観たはずなのに、
どんなストーリーだったのか思い出せない
どうして?!
憶えているのは、スズカツ氏の文章、
”ペイジ&プラントは復活できても、レノン・マッカートニーはもう決して復活しないのだな”
レノンが生きていた頃もなかったし、その後は絶対に無理となってしまった。
このあいだ、ハートが「天国への階段」を演奏しているのを、涙を流しながら観て(聴いて)いたロバート・プラントをyou tubeで観た。
そばでジミー・ペイジが微笑んでいた。
あまりにも年月が過ぎてしまって、リアルタイムではないけれども、
私の知っているロバート・プラントとは別人だった。
なんでこんなに泣いちゃうの〜〜〜?!
と言ったら、
「まぁ人間年をとればね・・・自分の曲演奏してもらえたから、嬉しかったのでしょう」
とさるミュージシャンはごく普通に語ってらした。
私は、なんだかセルロイドレストランだな、と思った。
(全然、違うのに〜〜〜!!)
いくつもの時代が去っていき、
でも私の中では、過ぎ去った時代の断片をずっと忘れられずに
切り取って、そのままスクラップして、
何年経っても、それはそのままなのだ。
氏は、『個人的に、ZAZOUS THEATERはこの『セルロイドレストラン』で終わった、と考えている。』
と語っている。
そうだったのか・・・
ものすごく感慨深い。
17年もの歳月が過ぎて、繰り広げられるスズカツワールドにドキドキする。
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『セルロイドレストラン』は1996年の作品。テキストは、ロック関係の雑誌をサンプリング、カットアップ&リライトして作成した。演出に関しては、当時役者として出演したリチャード・フォアマン作『マインド・キング』に影響されて、"編集された演劇"を初めて意識的に作ろうとした。ZAZOUS THEATERで繰り返してきた実験演劇の、ある意味集大成なのである。個人的に、ZAZOUS THEATERはこの『セルロイドレストラン』で終わった、と考えている。
鈴木勝秀(suzukatz.)
出演:伊藤ヨタロウ/千葉雅子/中村まこと/永島克(セバ)
開場 19:00 開演 19:30
終演後、LYNX-CLOUD連続上演推進会議 (〜23:00)
CELLULOID RESTAURANT
今年よく聴いたCDの一枚に、レッド・ツェッペリンの『フィジカル・グラフィティ』があります。ツェッペリンが一番乗ってた頃の、二枚組強力アルバムです。
セックス・ピストルズやKISSの再結成があったので、すでに記憶には薄れているかも知れませんが、ツェッペリンのジミー・ペイジとロバート・プラントも再び手を組み、アルバムを発表しツアーを行いました。
FEN(FAR EAST NETWORK)では、一日に何度も何度もツェッペリンの曲が流されていました。家にいるときは、ほとんどFENをつけ放しにしているので、ツェッペリンを聴く回数が必然的に増え、CDでも聴こうかなと思うと、ついついツェッペリンに手が伸びてしまったようです。
また、今年一番よく見たビデオは、ジョン・レノンの生涯を様々な記録映像を元に構成した『imagine』でした。
去年の暮、突如ビートルズの再結成と称して、『リアル・ラブ』と『フリー・アズ・ア・バード』が流れだし、大晦日には紅白歌合戦に対抗して、テレビ朝日が『ビートルズ・アンソロジー』をオン・エアーしました。もちろん、僕は録画しながらずっとそれを見ていました。そして、改めてジョン・レノンが僕のものの考え方に及ぼした影響力の強さを感じ、『imagine』を何度も見るという行動を取らせたのです。
そして、僕が思ったのは、ペイジ&プラントは復活できても、レノン・マッカートニーはもう決して復活しないのだな、ということでした。
ジョン・レノンがニューヨークのダコタ・アパートで主夫をしていた頃、突然、ポール・マッカートニーがギターを抱えて訪ねてきたそうです。そのときジョンは、『次に来る時は前もって電話してくれないか?ここはリバプールじゃないんだ。ニューヨークではこんな風に予告もなしに人を訪ねるなんてことはしないよ』と言ってポールを追い返したそうです。
しかし、その後もポールはニューヨークに行ったとき、何回かジョンを訪ねているようなのです。そして、古いロックンロールを聴いたり、ギターを弾きながら歌ったりもしていたようです。でも、レノン・マッカートニーは復活しませんでした。
では、そのとき、どんな会話がなされ、どんなことがあったのか?
僕の想像とも妄想ともつかないものは、『セルロイドレストラン』に取りつけられた隠しカメラになって、その様子を記録し始めたのです。
その記録を編集したものが今回の『セルロイドレストラン』です。
ZAZOUS THEATER 主宰 鈴木勝秀
★1996年12月11日〜23日(ザ・スズナリ)公演の時に配られたテキスト
☆ソース元